まれにはもっと大変なことも起きます。 |
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怖い話ではありますが、分娩の時に肛門とか直腸までが裂けてしまうことがあります。 この場合、(私は右利きですから)腸の中に左手の指を入れ、その指の腹の上に腸の壁を載せながら腸の内側に針や糸が出ないように細心の注意を払いつつ、細かく縫い上げます。 その腸の中にウンチが溜まっていては清潔に縫合することができません。 お産で腸が裂けるまでのことは多いことではありません。 でも、そこまでいかなくても、肛門のあたりまで裂傷が達することは少なくありません。 この程度の場合でも、浣腸してあれば、産後の何日目かにウンチが肛門を通過するまでの時間が稼げることになります。
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いまひとつの理由は、膀胱や直腸の充満が子宮の収縮を妨げるという事実です。 陣痛の発来や強化を促すために、導尿とか浣腸をすることがあります。 分娩が終わってからですと、産後の出血の量を左右することがあると考えられています。 出産後、子宮の収縮が悪く、出血が多いからといって、それから浣腸して排便をさせることは不可能ですので、陣痛が強くなるまえに済ませておくことは大事なことです。 (直前に排便していたり、しばらく下痢が続いているようなときは、相談してみましょう。) |
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